☆これから小劇場をはじめたい方へ☆

小劇場で芝居を始めたいけどどうしたらいいの?という方へ

小劇場で芝居を始めるためには小屋選びから始まってスタッフの手配、小屋打ち合わせ等々やること盛りだくさん。
その中でも特に『スタッフ』について解説するコーナーです☆
また、<スタッフをお願いするに当たってかかってくる最低限の予算>から
<公演にかかる費用を安くすませる方法>などをこっそりお教えします(^^)

1 スタッフ選び

劇場をおさえ公演日程が決まった頃まずやらなくてはならないことの一つがスタッフ探しでしょう。
しかしながら、スタッフの知り合いもいないしどんな人を選んだらいいかわからないというのが正直なところではないでしょうか?
まずは公演をうつにあたり必要なスタッフとその仕事内容を解説していきましょう☆
舞台は大きく分けて3つの要素から成り立ちます。

@舞台装置及び舞台美術、小道具管理

こう大まかにまとめてしまうと怒られるかもしれませんが、公演をうつ上では一番想像がつきやすいのではないでしょうか?
要するに舞台セットと小道具関係を担当する部署です。
小劇場の多くには袖幕もなく壁が四方むき出しということがよくあります。
そこに幕を吊ったり床に平台やパンチなどをひいて舞台らしくしていく作業が必要です。
芝居によっては幕ではなくパネルを立てることによって空間を作っていくこともあるでしょう。
時間のない中でこういった作業をするためにはある程度段取りを組まなくてはなりません。
またそれ専門の知識も自ずと必要になってくるでしょう。

そういっためんでのサポートをしてくれるのが『舞台監督』というスタッフです。
しかしながらセットデザインや装置などを担当するのは舞台美術及び大道具という部署であることを勘違いしてはいけません。
もちろんアドバイスや知識などは大いに助けてはくれますが、決して道具屋ではありません。
本格的なセットを組むのであれば、舞台監督さんに相談して美術さんに頼むか自分たちでたてるくらいの覚悟は必要です。
そして小屋入りしてからセットがたつまでは役者もスタッフです!
自分から積極的に動きましょう☆
また、『舞台監督』はそれだけに留まらず演出や役者、その他のスタッフとの橋渡しをするのも大切な仕事です。
特に劇場入りをしてからはその名の通り舞台の監督。総責任者となります。
分からないことがあったらまず舞台監督に相談しましょう☆

A照明

要するに明かりです。
劇場ではセットと同様に照明も仕込まなければなりません。
多くの小劇場の場合、照明は取り外してある状態で貸し出されています。
それを芝居のセットにあわせ、つり込みとよばれる作業から始まり、
シュート(当たり合わせ)、明かり作り、きっかけ合わせを経て本番に挑むわけですが、
それなりの専門的知識を必要とします。
というのは、舞台で使われる照明機材は普段の生活では決して使われることのないものであると同時に、
操作卓もまず家庭では見ることのないものだと思います。
仮に自分たちで吊り込みが出来たとしてもイメージ通りに明かりを作るにはそれなりの経験と時間と知識が求められてくるでしょう。

そこでやはり専門家が登場するわけですが、それが『照明さん』となるわけです。
彼らは、照明機材についてはもちろん芝居の空間作りや、演出についても大いに力を発揮してくれるでしょう☆
いくらいいセットを組んだところで蛍光灯の下では興ざめです。
セットをきれいに見せる照明。空間を生かす照明が求められてきます。
また小劇場では思ったようなセットを組めないことも多いと思います。
それをいかにきれいにかっこよく魅せられるかとゆうのも『照明さん』にかかってきます。

B音響

そして3つ目が音響です。
要するに音楽を流す部署なのですが、劇場によっては専門的な機材がおいてあったり、
家や稽古場とは違いよりよい音で、芝居にあった間合いで、音楽や効果音を流すことが求められてきます。
比較的なじみのある機材が多いためちょっと音楽に詳しければ出来てしまいそうなこの部署ですが、
音質や、タイミング、時には選曲まで相談できるのが『音響さん』です。
また効果音にしてもどうしてもしっくり来るものがないなんて時に相談すると
意外にもひょいと持ってきてくれたり音による演出効果のエキスパートです。
やはり専門家がついている場合とついていない場合を聞き比べると
歴然とした違いが出てくるのはさすがといいましょうか。

その他衣装、制作スタッフなどとても重要な役割の部署について簡単に触れておきましょう。
衣装はその名の通り舞台上で着る衣装のデザインや色味、世界観の統一性などのアドバイスや時には作成まで手がけるスタッフです。
そこに付随してメイクさんや着付師さんなどがいるわけですが、ここではその辺は特殊分野として割愛させていただきます。
そして制作スタッフとはチラシの作成や稽古場の手配、
チケットの管理や広告媒体へのアプローチ、そして本番中の受付まわりなど細々したサポートをしている部署です。
その他制作とゆう名の下には多種多様な仕事が待ち受けております。
しかしながら正直予算をかけないという方向性からここは『劇団員で出来る限りはやる!』ということで、ここについても割愛させていただきます。

とまぁそれぞれの役割と呼び方について説明してきたわけですが、それでは専門家に頼むといくらくらいかかるのか?
ざざっと見ていくことにしましょう☆

まずは『舞台監督』 だいたい概算ですが、1日2万5千〜3万5千円×公演日数(仕込み日含む)といったところではないでしょうか?
なので1日仕込みの3日本番とすると4日×2万5千=10万くらいは最低でもかかる計算になります。
これはスタッフ全般にいえることですが、本番前には稽古見や打ち合わせ、劇場の下見や、劇場さんとの技術打ち合わせなど様々な作業があります。
そのための諸経費も含まれると思ってください。
そしてここで上げる金額はあくまで『目安』として判断ください。

次に『照明』
こちらは概算で2万〜2万5千×公演日数(仕込み日含む)+仕込み&ばらしの増員代(だいたい4〜6万)と考えていただき、
上記と同じ条件だと4日×2万+4万=12万前後が最低限の相場となってくるのではないでしょうか。
またその他照明機材などを持ち込めば機材費としてある程度かかってくることも覚悟しなければなりません。

最後に『音響』
こちらも概算ですが、2万〜2万5千×公演日数(仕込み日含む)+仕込み&ばらしの増員代(だいたい2万〜4万)で
やはり同じ条件で4日×2万+2万=10万前後が相場ではないでしょうか?
あとは稽古に立ち会う期間や機材の持ち込み量などによってかなり金額は左右されるかと思います。

とまぁ簡単に述べて参りましたが、正直ここに上げた金額はこれで出来ればかなり安い方だと思います。
俗にいう知り合い価格とでも言いましょうか。
おそらくそれぞれ業者(企業)に頼めばこの倍はかかってくるものと思われます。
その分は安心料とブランド料とゆう事になると思います。
もちろん上記の額より安くやりますというとこはあると思いますが、その大半は
役者さんの兼業であったり、専門学校出たてや生かじりな知識だったり中途半端な技術者が多いようです。
(まぁ時にはスタッフさんの気まぐれとゆうこともありますが)
もちろんコストを下げるためにはそういった方々にお願いすることも必要な事かもしれませんが、
クオリティーの高いものを作ろうと思えば最低限の予算は覚悟しましょう!

さて、ものすごく長い前置きになりましたがここまでの知識をふまえて、
では予算をかけずにいいものを作るにはどうしたらよいのか?
そんな矛盾した質問に答えていきましょう☆

まずスタッフ選びから。
最近ではインターネットもかなり普及し比較的スタッフ検索サイトなども充実しているため
スタッフを捜すことに対してはかなり手軽になっているのではないでしょうか?
しかしながら逆に数が多すぎて誰にお願いしたらいいのやら・・・。
そんな中でスタッフを見極める方法をお教えしましょう☆
といっても正直これが正解!ってものはなく、

@口コミ、評判
もし知り合いの役者さんやスタッフさんがいるのであれば知り合いの紹介でお願いするのが、一番間違えのない方法ではないでしょうか?
まぁあたりまえの事ですね(笑)?紹介となれば下手な人は勧められないし、紹介された方にもそれなりのプレッシャーがかかってきます。
また金額的にも知り合いからの紹介ということである程度は相談に乗ってくれるかもしれません。

とはいえそうそうスタッフに知り合いのいない方も多いとは思います。そこで

AHPや広告媒体
に頼ることになってくると思うのですが、『とにかく会ってみる!』ということをお勧めします。
といっても闇雲に会うわけではなく、メールや電話などそれぞれのアクセス方法はあると思うので、
そこで質問や不安に思うこと、そしてやろうと思うことなど話した上で一度お会いしましょうと。
会うことによってその人の人柄や接し方などが見え、お願いしたあとも稽古場でいきなりではなく
心の準備をして挑むことが出来ます。
どんな人か分からずに仕事をするより何倍もいいものが生まれてくるきっかけになるのではないでしょうか?

そして知り合ったスタッフに

B他のスタッフを紹介してもらう
例えば照明さんをお願いしたとすれば、たいていその人と仕事をよくやっている、
もしくは信頼している音響さんや舞監さんとゆうものがいるものです。
劇団の現状を話した上でもっとも適切と思えるスタッフを紹介してもらいましょう!
うまくお話しすれば予算のない現状なども打開できることもあるかもしれません。
もちろん条件が合わなければお断りすることも必要ですが、
スタッフ同士の紹介によりコミュニケーションもとりやすくなり良い結果が生まれてくることも多いようです。

とまぁ、結局は知り合いづてが一番と言うことでしょうか。
後は続けていくうちに相性や性格の問題なども出てくるでしょうから、話し合いで解決出来ない場合は、
新規スタッフにお願いしてみる必要も出てくるかもしれませんが。

以上正当な方法を述べて参りました。
・・・が、
そうはいっても予算が・・・。とか、出来る限り自分たちの力だけでとか、様々な立場があると思います。
ここから先は正直あまりお勧めはしたくない方法ですが、『やむ終えず。。。』とゆう方のみお読みくださいm(__)m

『裏技的小劇場運営法』
どうしてもお金をかけずに公演をうちたい(><)なんてわがままな方の為の裏技です。
ここで求められてくるのは、『とにかく自分たちでやってしまえ』的運営法です。
まず、上記正当法にかかれていたことを思い出してください。
舞台を作り出すための3つの要素。
しかし世の中にはある程度の知識があれば何とかなってしまう事というのが多々あります。
特に本格的な舞台セットを組むのでなければ、幕は脚立(きゃたつ)に上れれば誰でも吊れるし、
音楽は家でコンポをいじったことがあれば音楽を流すくらいなら誰でも出来ます。
さて困った照明は?まぁ照明も自己流でというやり方もありますが、ここは一つ、
舞台や劇場について知ってる人が一人もいないのも不安だし
照明だけは専門家に頼んでついでに舞台の方も面倒見てくれないかなぁ。。。
なんてやり方があります。
長く小劇場で照明をやっているとどうしても舞台や音響など照明以外の知識が身に付いてしまったりもします。
そういった人を見つけて、
『出来る限りは自分たちでやろうと思うのですが、どうしても舞台知識のないところは助けてください!』と
お願いしてみましょう。
この場合特に注意しなくてはならないのは『照明をお願いする段階で前もって話しておく』ということです。
小屋に入っていきなりそんなことをいってしまっては怒り出してしまったり、最悪公演がうてない状況にもなりかねません。
『正直に前もって話しておく』これが信頼関係をえる一番の方法だと思います。
そうすればお願いしたのは照明さんだけであとは全て自分らの仲間で出来ちゃったなんて事もありえるかもしれませんよ。。。
しかしそのためにはかなりの覚悟が必要です。
とはいえ高校演劇や養成所、専門学校などからやってきて小劇場で公演を打ちたいという方にはお勧めできる方法かもしれません。
お金をかけずに公演をうつ!
その公演をきっかけにして劇団が大きく羽ばたいていくことを期待します。

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